ジムの予定時間ボードを記入するお前は弱い

日本の大手フィットネスクラブでは、人気マシンやパワーラックなどの器具の横に「利用時間をボードに書き、20分以内で交代する」というマナーが存在する。
一見すると他の会員が待ち時間の可視化になって便利であるように思えるが、トレーニング歴4年の儂に言わせればこのルールは「トレーニーの成長を妨げ、日本人の筋肉を弱体化している」。
この記事ではこの日本の独特なジムマナーの致命的なデメリットと糞さを説明し、本来あるべき対策を述べさせていただく。
20分ボードは何故クソなのか
1.コンパウンド種目は絶対に時間足りない
特にBig3のようなコンパウンド種目は20分で終わらせるのは至難の業。
ざっくり計算してみよう。代表的なスクワットの例(メイン3セットの場合):
- プレート付け替え : 1分 × 4回
- ウォーミングアップセット : 1分 × 3回
- メインセット : 1分 × 3回
- セット間休憩 : 3分 × 2
合計で16分
20分間に合うと思うかもしれないが、メイン5セット、またはデッドリフトのようにセットアップが長い種目では余裕で20分超過する。
さらに、NSCA “Essentials of Strength Training and Conditioning” でも中上級者のセット間休憩は2〜5分が推奨されており、時間短縮は質低下を招く。
これはつまり、中級者はこれ以上成長するなと言っているようなもの。
2.「予約時間の執着」で集中力が分散
利用したい器具が別の会員に利用されており、自分がボードに予約したところで、自分が使いたい時間帯にマシンが使えないという事実は変わらない。
また、ボードに時間を書いた瞬間「あと◯分で自分の番」という意識が強まり、現在行っているトレーニングの没頭を阻害し、必然的に雑なトレーニングになる。
運動心理学では注意資源の分割がパフォーマンスを下げるとされており(J. Sport Psychol., 2023)、予約時間トレーニングの質の低下は本末転倒。
3.会員同士が敵対になるシステム
ボードに予約時間を記入した時点で意思伝達はそこで完結し、「譲り合い」や「補助を頼む」の対話が発生しない。つまり、必然的に器具は分け合うものではなく、奪い合うものという潜在意識が働き、他の会員を敵と認識する。
共有資源の分配法として、直接コミュニケーションを取る方が協力関係を築きやすいことは行動経済学の実験でも示されている。(Fehr & Gächter, 2000)。
どうすべきか
人気の設備器具を多く配置して、混雑時でも利用できるようにするのが理想だが、幽霊会員でジム経営が成り立つ日本にはおそらく不可能だろう。
では、混雑時の対策はどうすれば良いか。
実は、ONI GYMはすでに正解を出している。それがこれだ!

ONI GYMは会員同士がマシンをシェアしてお互いに助け合うように推奨している。
これにより、会員同士が接する機会も増え、譲り合いや補助により、互いに切磋琢磨も期待できる。本来は一言かければみんながhappyになるかもしれないのに、時間予約ボードによってそのチャンスが阻まれる。
結論
20分ボードは「公平性」の確保を目的とした善意かもしれない。
しかし、それ以上に副作用が大きい。(アナボリックステロイド並みに)
そう、ボードは糞以外何物でもない。そのルールの存在意義に疑問を感じず、ただ盲目に従う人も糞である。
ジム側は脳死の「公平性」を求めるより、以下の3つを実現したほうが長期的に会員にとって幸せではないか?
- ガチ勢が実力を発揮できる環境
- 初心者が気軽に質問できる雰囲気
- ジム側が機材回転率を維持できる経営
他人に気軽に話しかけられず、器具のシェアもできないから、日本人はガリガリでコミュ障になるんだよ。マジで危機感を感じたほうがいい。
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